電気工事士2種の勉強期間は、私にとって短期決戦でした。しかし、その短い期間に限って「魔の残業続き」がやってくる。これは現場職あるあるかもしれません。
時間も体力も削られ、思考が停止しそうな夜。それでも私が工具を握り続けられたのには、綺麗事だけではない「切実な理由」がありました。
今回は、追い込まれた40代の私が、どうやってメンタルを維持し、最後まで崩れずに完走できたのか。その舞台裏をお話しします。
追い込まれた私を動かした一言「練習キットはタダじゃない」
仕事が長引き、クタクタになって帰宅する。そこからダイニングテーブルに向かうのは、正直に言って「苦行」です。何度も「明日でいいや」という誘惑に駆られました。
そんな時、私の頭の中に響いたのは「練習キットはタダじゃない」という、極めて現実的な声でした。
お小遣いエンジニアの意地
今回の受験料、そして練習キットの費用。これらはすべて私のお小遣いから捻出していました。特に材料キットは、軽く1ヶ月分のお小遣いを超える金額です。
もし不合格になれば、この数万円は一瞬で無駄になります。40代の貴重なお小遣いをドブに捨てるわけにはいかない。この「経済的プレッシャー」が、疲労を上回る最大の原動力になりました。
電験三種という「地獄」を知っていたから
もう一つ、私を支えたのは過去の経験です。電験三種の勉強をしていた頃は、常に巨大な壁に追い詰められ、出口の見えない暗闇を歩いているような感覚でした。
それに比べれば、電気工事士2種はゴールがはっきりと見えています。
「あの地獄に比べれば、今のしんどさなんて全然いいほうだ」
そう比較できたことで、精神的な余裕が生まれました。短期決戦だと分かっているからこそ、「あと少しだけ耐えれば終わる」と自分を奮い立たせることができたのです。
妻が淹れてくれたコーヒーと無言の応援
追い込まれた夜、一番の支えになったのは家族の存在でした。直接「頑張って」とプレッシャーをかけられることはありませんでしたが、その「配慮」が身に沁みました。
ダイニングで電線ゴミと格闘していると、妻がそっとコーヒーを淹れて置いてくれる。その一杯が、「よし、あと1課題だけやろう」と思わせてくれるスイッチになりました。
「応援されている以上、途中で投げ出す姿は見せられない」
自腹を切って、家族のスペースを借りてやっている以上、中途半端な結果で終わるわけにはいかない。その意識が、折れそうな心を繋ぎ止めてくれました。
焦る時ほど「手を動かす」ことに集中する
試験日が近づき、残業が重なると「まだあの課題が終わっていない」と焦りが出てきます。ですが、焦っても時間は増えません。私はこう考えるようにしました。
「焦るのは、手が止まっているからだ」
不安になったら、一本でも多くののの字曲げを作る。一段階でも多く複線図を描く。感情を無にして「作業」に没頭することで、余計な不安を打ち消しました。冷静に、淡々と。それが40代の賢い戦い方です。
まとめ:追い込まれた時に「その人のスタンス」が出る
電気工事士2種は、電験三種ほど重い資格ではありません。しかし、働きながら、そして家計を守りながら受ける以上、決して楽な試験でもありません。
追い込まれた時、踏みとどまらせてくれるのは「高い目標」よりも、意外と「自腹の痛み」や「家族の淹れてくれたコーヒー」のような、身近でリアルなものだったりします。
もし今、あなたが仕事との両立に追い詰められているなら、一度深呼吸してコーヒーを飲んでみてください。そして、ここまで投資した自分を信じて、もう一度工具を握ってみませんか。その一歩の積み重ねが、合格証書へと繋がっています。
