電験三種は「投資」ではなく「備え」。会社が倒産しても生き残るための武器

「稼ぐため」なら、電験三種はおすすめしません。

資格を取れば給料が上がる、評価される。そんな期待を胸に勉強を始める人は多いですが、私の考えは真逆でした。

40代・現場エンジニアの私が、年収アップも評価も一切期待せず、会社に隠れてまで合格を目指した理由。それは、自分と家族を守るための「生存戦略」だったからです。

世間の「コスパ論」に惑わされず、自分自身の武器を手に入れたい方だけ、この先を読み進めてください。

電験三種を受けた理由を聞かれると、よく年収アップや会社での評価のためだと思われます。

ですが、私の場合は違いました。年収が上がるかも、評価されるかも、そういった期待は受験時点で一切ありませんでした。

ここでは、なぜ私が「利益」ではなく「リスク」を優先し、会社に隠れて合格を目指したのか。その本音を書きます。

この記事のポイント

  • 資格取得による「年収アップ」への期待はゼロだった。
  • 会社に報告するメリットより、責任の重さというデメリットが勝った。
  • 電験三種は自分を豊かにする「投資」ではなく、人生を守る「備え」。
目次

年収や評価を意識したことは、一度もない

正直に言うと、受験を決めたときに社内での立ち位置が良くなることを考えたことはありません。「手当で給料が数千円上がったらいいな」という発想すら、頭をよぎっていませんでした。

私の会社には電験三種の資格手当はありません。
と言うか資格手当制度がありません。

最初から「見返り」を期待していなかったからこそ、独学の辛い時期でも、他人の評価に左右されずに淡々と勉強を続けられたのだと思います。

それでも会社に報告しなかった理由:最大の懸念は「選任」

報告すれば、もしかしたら周囲の見方が変わるなどのメリットはあったかもしれません。
しかし、それ以上に「デメリット」の方が圧倒的に大きいと私は感じていました。

「資格=重荷」になるという現実

電験三種は、持っているだけで「全責任」を押し付けられるリスクを孕んでいます。法的責任、波及事故、賠償問題……。これらを背負う覚悟がないまま会社に報告することは、自分から「呪縛」を買いに行くようなものでした。

私が一番恐ろしかったのは、現在は外部に委託している「電気主任技術者」の選任を、自社選任(私)へ変更されることでした。

そうなれば、単に業務が増えるだけでなく、途方もない法的責任を背負わされることになります。

自分の知らないところで誰かが勝手に電気設備を触り、感電事故が起きる。あるいは、波及事故を起こして多額の損害賠償問題に発展する。

選任されるということは、そうしたリスクの最前線に立たされるということです。

「電験持ってるなら全部分かるでしょ」という呪縛

もう一つ避けたかったのが、周囲からの過度な期待です。資格を取った瞬間に、「電気のことなら全部分かるでしょ」という目で見られるようになる可能性があります。

しかし、電験の知識だけで現場のすべてを解決できるわけではありません。
特にシーケンス制御などの複雑なトラブル対応は、試験勉強とは別の実務経験が不可欠です。

それなのに「電験持ってるのに直せないの?」と言われるプレッシャーをわざわざ買う必要はない、と判断しました。

電験三種は「投資」ではなく、いざという時の「備え」

私にとって、電験三種は今すぐリターンを得るための「投資」ではありません。それは、将来のための武器であり、人生の「備え」です。

「今すぐ何かが変わらなくてもいい。必要になったその瞬間に、カバンの中にこの武器が入っていることが重要なのです。」

一番具体的に想定していたのは、「会社の倒産」です。40代で会社がなくなったとき、あるいは今の仕事ができなくなったとき。

この資格を持っているかどうかが、再就職の現場で自分を守る最後の盾になると考えていました。

今すぐ何かが変わらなくてもいい。必要になったその瞬間に、カバンの中にこの武器が入っていることが重要なのです。

年収に影響しなくても、私は受けた

もし最初から「一円も給料は上がらない」「誰も褒めてくれない」と分かっていたとしても、私は電験三種を受けたはずです。

なぜなら、これは会社のためではなく、自分自身が納得して生きるために決めたことだったからです。

もし、これから年収アップを目的に受験される方がいるなら、一つだけ確認してほしいことがあります。
あなたが背負うことになる「法的責任」と、提示される「待遇」は本当に釣り合っていますか?

電験三種は、単なる紙切れ以上の重みを持った資格です。会社に差し出すためではなく、自分の人生を支えるために使う。そんな距離感があってもいいのではないかと、私は思っています。


もしあなたが「給料が上がらないならやめようかな」と迷っているなら、一度想像してみてください。10年後、今の会社がなくなったとき、あなたの手元には何が残っていますか?

電験三種は、会社に差し出すための「献上品」ではありません。あなたが納得して生きるための「最強の保険」です。


→ 電験三種 体験談のまとめページに戻る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次