電験三種という資格を調べると、どうしても「一発合格」「最短・効率」というキラキラした言葉が目につきます。
ですが、私は最初から「複数年受験」を前提に考えていました。
これは決して弱気な選択ではありません。40代・高卒・現場職の私にとって、それが「最も確実に合格に近づく現実的な戦略」だったからです。
複数年受験を選んだ3つの理由
- 科目合格制度があるからこそ、大人の独学は成立する。
- 「理論」を全ての基礎と考え、ここを最初の山場に設定。
- 他人の「最短」を参考にしつつ、自分の「最適解」で動く。
最初から「2年で4科目」を狙う計算だった
電験三種の試験を申し込んだ時点で、私の頭の中には明確なスケジュールがありました。
「年2回開催だから、1回で1科目ずつ進めば2年で終わる」
それで十分だと思っていました。いつまでに取らなければならないという期限もなく、焦って全科目を詰め込んで自滅するよりは、一歩ずつ確実に陣地を広げる方を選んだのです。
そもそも、当時の私の学力では「一発合格」は無謀以外の何物でもありませんでした。
中学数学からやり直し。虚数やベクトルで感じた「壁」
私は高卒の現場エンジニアです。勉強を始めた当初は、中学数学すら怪しい状態でした。
正直に言えば、特定の単元というより「数学の全てがヤバい」という自覚がありました。
特に「虚数」や「ベクトル」が出てきたときは、「何これ習った覚えがない……」と呆然としたのを覚えています。
この状態で、電磁気や回路計算、さらには機械科目の複雑な計算を一気に詰め込むのは不可能。そう確信したからこそ、最初から長期戦を覚悟できました。
自分の現在地を正しく知る。それが「最短」よりも大切な「合格の前提条件」です。
継続のバロメーターは「理論」の結果次第
長期戦を前提にしつつも、一つだけ自分の中で「引き際」を決めていました。
それは、「理論」が合格するかどうかです。
- 理論が合格 → 電気の基礎が身についた証拠。継続。
- 理論が不合格 → 基礎が無理なら、他の科目は到底太刀打ちできない。断念。
理論は全ての科目の基礎です。ここさえ突破できれば、電力や機械、法規への道が拓ける。逆に、ここがダメならダラダラ続けても時間は無駄になる。この潔い割り切りが、逆に勉強への集中力を高めてくれました。
公害防止管理者の経験が、電験への背中を押した
実は、私が電験三種に挑戦しようと思えたのは、以前に受験した「公害防止管理者」の経験があったからです。
当時は業務命令だったため、必死で一発合格を狙いました。しかし結果は一部不合格。2年かかって取得することになりました。その時、私を救ってくれたのが「科目合格制度」でした。
「一気に取れなくても、積み上げたものは消えないんだ」
この成功体験があったからこそ、科目合格が認められる電験三種にも「自分にもできるかもしれない」と一歩踏み出すことができたのです。もしこの制度がなければ、私は絶対に電験三種を受験していませんでした。
ネットの「最短ルート」は、あくまで「参考資料」
SNSやブログで「一発合格」の報告を見ても、焦ることはありませんでした。
もちろん、彼らの勉強法や効率的な進め方は大いに参考にします。
しかし、それはあくまで「その人のスペックや環境での話」。私は流れてくる情報を大量にインプットした上で、自分に合う形に組み合わせ、「自分の最適解」としてアウトプットすることに集中しました。
自分に合ったやり方が決まれば、あとは他人のペースを気にせず、淡々とやるだけです。
まとめ:40代の独学は「積み上げ」で勝負する
一発合格は素晴らしいことですが、それが全てではありません。
「一気に取る」のではなく「一科目ずつ確実に積み上げる」。
特に年2回試験になった今、この発想は長く勉強を続ける上で最強の武器になります。
もしあなたが「自分に電験なんて無理だ」と足踏みしているなら、まずは2年スパンの計画を立ててみてください。景色が変わって見えるはずです。
