公害防止管理者の試験勉強を始めるとき、誰もが一度は「通信講座」の広告に目を止めるはずです。
カラーで見やすいテキスト、要点を絞った動画講義。それらを見ていると、「これさえ買えば、自分も楽に合格できるのではないか」という誘惑に駆られます。
私自身、水質2種のときも大気1種のときも、講座の存在は意識していました。しかし、結果として私はそれらを選びませんでした。
今回は、「講座を検討する前に、立ち止まって考えるべき現実」について、私の実体験からお話しします。
「講座」は魔法の杖ではないという事実
まず、大前提として理解しておくべきことがあります。講座は、受ければ自動的に合格できる魔法の仕組みではありません。講座が提供してくれるのは、あくまで「情報の整理」と「時間の短縮」です。
- 動画を視聴する
- テキストの解説を読み込む
- 内容を自分の頭で処理し、問題を解く
これらの作業は、講座を使おうが独学だろうが、結局は自分自身でやらなければならない「肉体労働」です。この「自主的に勉強する」という覚悟がないまま講座に申し込んでも、お金だけを無駄にする結果に終わります。
自費受験なら「翌年のコスト」まで計算に入れる
私が大気1種の受験で、講座を選ばなかった大きな理由の一つが「コストの総額」です。
私は最初から、大気1種を科目合格狙いの長期戦で組んでいました。自費受験である以上、1年目の講座代だけでなく、「2年目の受験料」や「追加のテキスト代」も最初から予算に入れておく必要がありました。
自費受験者の金銭感覚:
高額な講座代に予算を使い切ってしまうと、もし1年目に数科目落とした際、2年目の挑戦を続ける気力が削がれてしまいます。私は、講座に数万円払うくらいなら、それを2年分の受験料と最新の過去問集に回した方が、トータルの合格率は上がると判断しました。
「自分はできる」という根拠はどこにあるか
私が「独学(自主的な勉強)でいける」と確信を持てたのは、大気1種に挑む前に、同じく自費で電験3種や電工2種を受験し、自分を律して勉強してきた経験があったからです。自腹を切って試験に挑むとき、自分がどれだけ真剣になれるかを知っていたのです。
もし、これまで自学自習で成果を出した経験がないのであれば、講座という「強制力」を借りるのも一つの手です。しかし、過去に自力でやり抜いた経験があるなら、公害防止管理者も同じように突破できるはずです。
会社に講座を却下された「反骨心」を力に変える
水質2種のとき、私は会社に講座の受講を打診しましたが、結果は却下でした。支給されたのはテキスト1冊のみ。その時、私の心に浮かんだ本音はこうです。
「それなら、落ちても文句言うなよ」
しかし、そこで腐って本当に落ちてしまっては、自分の評価を下げるだけです。むしろ「教材1冊だけで受かってやる」という反骨心が、私の勉強のガソリンになりました。会社が金を出さないなら、自分のやり方で、自分のペースで勝つ。その割り切りが、独学の孤独な戦いを支えてくれました。
まとめ|「講座」を検討する前に問いかけるべきこと
今、講座を検討している方は、申し込む前に自分にこう問いかけてみてください。
- 「この資格は、自分にとって本当に必要か?」
- 「講座を使わずに浮いた数万円を、2年目の予備費に回さなくていいか?」
- 「講座という『道具』を使いこなすだけの、自習する覚悟はあるか?」
会社が費用を全額出してくれるなら、迷わず使いましょう。しかし、自費であれば話は別です。講座はあくまで道具。それを動かすのは、あなたの「合格したい」という執念でしかありません。
